KOOVにはたくさんの「ロボットレシピ」とそのサンプルプログラムが用意されています。
作例をそのまま組み立て、プログラムをインストールするだけで簡単に遊べますが、「なぜこう動くのか?」を考えることで、プログラミングの理解がぐんと深まります。
今回は、その中でも楽しいギミックが人気の「プレゼントボックス」を取り上げ、遊び方やプログラムの解説、改造アイデアまで詳しく紹介します!
作例「プレゼントボックス」とは?

「プレゼントボックス」は、記憶力を試されるギミックつきの知育ロボットです。
LEDが光る順番を覚えて、対応するボタンを同じ順番で押すと、中のふたが「パカッ」と開きます。ゲームのような感覚で楽しめる作例です。
正しく入力すれば蓋が開き、間違えると開かない――というシンプルながら達成感のある仕組みが魅力です。
作成可能キット
プレゼントボックスはスターターキット以上で作成可能です。
キット | 作成可否 |
---|---|
エントリーキット | × |
ベーシックキット2 | × |
スターターキット | ● |
アドバンスキット | ● |
※サーボモーターを使用
※必要ブロック数が多め
「プレゼントボックス」の遊び方
- 本体のボタン(上・右・左)を押す
- 3つのLEDがランダムに5回点灯する
- 点灯した順番を覚えて、対応するボタンを同じ順番に押す
- 入力が正しければ、ふたが開き、メロディーが鳴る
- 間違えると、ふたは開かない
遊びながら、記憶力・集中力・順序を考える力が自然と育まれるのも大きなポイントです。
入力と出力の仕組み

入力要素 | 内容 |
---|---|
ボタン | 3つのボタン(上・右・左)で、LEDの点灯順に対応するボタンを押す |
出力要素 | 内容 |
---|---|
LED | 3つのLED(赤・緑・白)をランダムに点灯させる |
ブザー | LEDの点灯に合わせて音を鳴らす |
サーボモーター | プレゼントボックスの蓋の開閉に使う |
プログラム解説
プレゼントボックスのプログラムは、以下のような流れで構成されています。

このプログラムは規模が大きく分かりづらいですが、大きく分けると、
- 『「ジングルベル」のメロディー作成』フェーズ
- 『LEDを5回点灯させる』フェーズ
- 『ボタン入力を認識し、正誤判定する』フェーズ
- 『正誤判定に従って、蓋を開閉する』フェーズ
に分けられます。フローチャートはそれぞれのフェーズに合わせて色分けしています。
乱数とLEDの点灯色の関係は次のようになっています。
乱数 | LED点灯色 |
---|---|
0 | 緑 |
1 | 白 |
2 | 赤 |
ここを変えるともっと楽しい!カスタムのヒント
プログラムを少し工夫するだけで遊び方の幅が広がるのも魅力のひとつです。
ここでは、プログラム上で変更できる項目だけに絞って、より楽しむためのカスタマイズ例をご紹介します。
LEDの点灯回数を変える
LEDの点灯回数を5回ではなく、減らしたり増やしたりすることで、問題の難易度を変更することができます。
具体的には、関数「generate」の判定箇所の数字『5』を任意の数字に変更することで対応できます。

正解、不正解のメロディーを変更する
スピーカーの音程や音の長さを変えるだけで、ゲーム性や演出が大きく変化します。
プログラムの場所は、正解時に流れる「ジングルベル」が、関数「jingle1」~「jingle3」で音階、関数「jingle1_wait」~「jingle3_wait」でその時の音の長さを定義しています。

不正解の時のメロディは、関数「result」の「~でなければ」の範囲で定義されています。

ブザーブロックの中に定義している数字は、音階(ドレミ)をMIDI番号で表しています。
是非、オリジナルのメロディーを作ってみてください。
まとめ:サンプルを使いこなせば学びが深まる
プレゼントボックスは、見た目の面白さとプログラムの学習要素がバランス良く含まれた優秀な作例です。
ただ遊ぶだけではなく、しくみを理解し、自分なりに改造することで、プログラミングスキルが自然と身についていきます。
次回も他の作例を解説予定です。お楽しみに!