KOOVの作例の中には、ただのロボットだけでなく、身近な道具やアイテムを再現した作品も多数あります。
今回はその中から、「カメラ」の作例を取り上げて解説します。
この作例は、赤外線センサーで物体を検知すると、LEDが光り、シャッター音が鳴るという仕組みで、まるで本当に写真を撮ったような演出が楽しめます。
プログラムで「入力 → 判断 → 出力」の流れを体感できる、初級〜中級者向けの良作例です。
作例「カメラ」とは?

KOOVの作例「カメラ」は、赤外線フォトリフレクタを“レンズ”に見立てて、前に物体が近づいたことを検知するセンサー付きロボットです。
何かをかざすと、「ピカッ」とLEDが光り、シャッター音が再生されるという演出があり、
本物のカメラのような「撮影ごっこ」が楽しめます。
作成可能キット
カメラはスターターキット以上で作成可能です。
キット | 作成可否 |
---|---|
エントリーキット | × |
ベーシックキット2 | × |
スターターキット | ● |
アドバンスキット | ● |
※必要ブロック数が多いため、ベーシックキット2では対応不可
「カメラ」の遊び方
- カメラのレンズの前に手や物体を近づけると、赤外線フォトリフレクタがそれを検知
- 自動的にLEDが光り、スピーカーからシャッター音が鳴る
操作が不要なので、小さな子でも簡単に楽しめる作例です。
入力と出力の仕組み

入力要素 | 内容 |
---|---|
赤外線フォトリフレクタ | カメラの前の物体を検出する |
出力要素 | 内容 |
---|---|
LED | カメラのフラッシュ |
ブザー | シャッター音 |
赤外線フォトリフレクタが近くの物体を検知したとき、LEDを光らせ、ブザーから音を出すという仕組みです。
プログラム解説
カメラのプログラムは、以下のような流れで構成されています。

このプログラムは、次の3つのフェーズで構成されます。
- 『物体の検出判定』フェーズ
- 『シャッター音再生』フェーズ
- 『フラッシュ点灯』フェーズ
フローチャートはそれぞれのフェーズに合わせて色分けしています。
この作例は、赤外線フォトリフレクタ値の判定(一定のしきい値以上かどうか)によって条件分岐を行い、出力を制御します。
値が『5』より大きいなら、『カメラの前に物体を検出した』と判定します。

ここを変えるともっと楽しい!カスタムのヒント
プログラムを少し変更するだけで、「カメラ」の反応や演出を大きく変えることができます。
LEDの点灯時間を変える
長くすれば「スローシャッター」風、短くすればパッと光る演出になります。
具体的な変更箇所は、関数『led』。
「0.1びょうまつ」の時間を変更したり、2回点滅している処理を増やしたり減らしたりして、フラッシュの印象を変えてみましょう。

センサーの感度(しきい値)を調整する
赤外線フォトリフレクタの判定のしきい値を変更して、もっと近づかないと反応しないようにしたり、広い範囲で反応させたりできます。
変更箇所は、関数の先頭の判定。
5から任意の値に変えて、動きの変化を楽しんでみてください。

シャッター音を他の音に変える
シャッター音を様々なメロディーに変えて、ユーモラスな“カメラ”にアレンジ可能です。
変更箇所は、関数『buzzer1』と『buzzer2』。
buzzer1は、LEDが光る前に流れる音、buzzer2は、LEDが光った後に流れる音を作成しています。
様々な音に変えて、シャッター音の変化を楽しんでみてください。

まとめ:センサー×音×光で「しくみ」が体感できる!
KOOV作例「カメラ」は、センサー入力→条件分岐→音と光の出力という、プログラミングの基本構造をしっかり体験できる教材です。
子どもたちは、手をかざすだけで自動で反応するしくみに夢中になりながら、
自然と「センサーでロボットが環境を認識する」ことの面白さを理解していきます。
「自分で作ったカメラで“撮影ごっこ”ができる」体験は、成功体験として自信にもつながります。
ロボットを作ることを楽しみたい
プログラミングの基本をやさしく体験したい
プログラミングでロボットを細かくコントロールしてみたい
プログラミングで高精度な制御に挑戦したい